伝えられないストレス

妻は自身の病気についての情報をネットでは調べないようにしています。

ネガティブな情報にばかり目が行き、悪影響の方が大きいからです。

 

不明な点は主治医に直接たずねるようにしているのですが、それまで待てずにどうしても知りたくなった時は、代わりに私がネット検索をし、情報を取捨選択して妻に伝えるようにしています。

 

 

数日前から妻が胸痛を訴え始めました。

痛みは不安を引き起こし、原因が分からないことで不安はさらに増大します。

 

次の診察まではまだ数日あるので、それまで不安を抱えながら過ごさなければなりません。

 

このような時、妻は痛みの原因や治療法、予後などについて、私にたずねてくるのですが、医療者ではない私に分かるはずもなく、ネットで調べることになります。

 

適当に調べた情報だと妻は簡単には納得せず、さらに質問を重ねてきて、あいまいな点や矛盾点が露呈してしまうので、丹念に調べ、正確な情報を探す必要があります。

 

今回は胸水の可能性がありそうです。

 

ただし、それはあくまで可能性の1つで、痛みの原因が胸水とは限らないのですが、何か原因と考えられるものを提示しないと妻は納得しませんので、胸水について調べ、分かったことを妻に伝えることになるわけです。

 

調べてみると、一口に胸水と言っても原因は様々で、もちろん治療方法や予後も一概には言えないようです。

そういう時にどうしても最悪のケースの方に目が行ってしまうのは、患者本人だけではありません。

第二の患者と言われる家族が調べても同じことが起こり得ます。

 

ですから、そうして調べた情報を妻に伝える際には、ネガティブな情報に偏らないように、自分なりに情報を整理し直して、その伝え方も工夫するようにしています。

 

軽い内容の方が印象に残るように、原因や治療法をできるだけ詳しく説明し、重い内容の方は、「もしも、○○が原因だとしたら、ちょっと心配だね・・・」くらいの説明に抑え、さらっと済ませるように心がけます。

 

それでもしつこく食い下がられると、事実を話さざるを得なくなるのですが、今回は引き下がってくれました。

 

これで一件落着とはならないのが、第二の患者の辛さだと思います。

一度見てしまった「最悪のケース」を記憶から消し去ることはできません。

そこに示された数字が頭の中をぐるぐる周り、めまいが起きてしまいました。

 

でも、それを妻に悟られるわけにはいきません。

めまいの原因を話せば、当然「最悪のケース」を説明せざるを得なくなるため、できるだけ平気なふりをしてやり過ごします。

 

知り得た事実がストレスとなり、それを誰にも話せないストレスが加わります。

そして、ストレスを抱えていることさえ話せないことがさらなるストレスとなります。

 

昨日はめまいが起き、眠りが浅くなって、今朝はかなり早く目覚めてしまいました。

 

ただ、こういったことにも既に慣れっこになっています。

今日は昼寝をしたら、調子が戻ったように思います。

 

また、こうしてブログを書いていると、必ずしも最悪のケースばかりではなく、他の可能性もあることに意識を向けることができました。

 

明日は眠気と闘いながらも、普通に出勤をして、普通に仕事をすることになるでしょう。

そうやってストレスと付き合いながら生活をしていくしかないのだと思います。

 

ところで、もしかしたら胸水のことを調べてこのページを訪れる人がいるかもしれないので、この記事の最後に私が今回調べたサイトへのリンクを貼っておきます。

でも、きちんと検査をするまでは、はっきりしたことは言えませんので、勝手に最悪だと思い込まないようにしてくださいね。

 

「胸水(貯留)について」(https://iwakuni.hosp.go.jp/files/000103874.pdf

iwakuni.hosp.go.jp

www.is-kokyuki.com

 

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