妻のクレジットカードの退会手続きをした。
すぐに退会しなかったのは、諸々の引き落としが残ったままだとその手続きが面倒そうだったので、それらの解約やら変更やらの手続きがすべて終わってからにしようと思っていたからだ。
最後に残っていたのはメールアカウントサービスの引き落としだった。
妻が結婚前からずっと使っていたメールアカウントで、プロバイダーを変更した後もメールアドレスは変更せずに使い続けたいからと、メールアカウントだけは残しておいたものだ。
そのアドレスで登録していたサービスなどを解約したり、使い続けたいサービスは私のアドレスに変更したりするのに1ヶ月以上も要してしまった。
というか、本当は解約する踏ん切りがなかなかつかないので手続きを急がなかっただけかもしれない。
ともかく、メールアカウントを解約したのだが、少額ゆえに2ヶ月に1度の請求になっていて、その引き落としが終わるのにさらに日数を要したというわけだ。
そして、最後の引き落としが終わり、ようやくクレジットカードを退会する準備が整い、電話をかけた。
オペレーターに退会理由を告げると、恐らくは定型のお悔やみの言葉を言われ、それから「・・・となりますが、よろしいでしょうか。」というような確認を矢継ぎ早にいくつかされた。
私はただ「はい。はい。」と繰り返すだけなのだが、幾度目かの返事で思わず涙が溢れ、声が少し震えてしまった。
3ヶ月以上も経ち、これくらいは平気でできるだろうと思っていたのだが、妻がもういないのだということを何度も念押しされているような錯覚に陥り、平静ではいられなくなってしまったようだ。
しかし、なんとか最後まで答え、手続きを終えた。
本当はオペレーターの指示に従い、妻のカードにハサミを入れるべきなのだろうが、どうもその気になれず、そのまま妻の財布に戻した。
妻の財布には不要になったマイナンバーカードやポイントカードなどが今も何枚か入っている。
それらもいつかは処分しなければならないのだろうが、もうしばらくはそのままにしておきたい。