QOLと腫瘍の大きさ

QOL とは Quality of Life の略で、「生活の質」と訳されます。

 

Quality of Life(QOL)のことで、「生活の質」と訳すこともあります。治療や療養生活を送る患者さんの肉体的、精神的、社会的、経済的、すべてを含めた生活の質を意味します。(略)治療法を選ぶときには、治療効果だけでなくQOLを保てるかどうかを考慮していくことも大切です。

クオリティ・オブ・ライフ:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]

 

つまり、なにがなんでも腫瘍を縮小させればいいということではなく、QOL(生活の質)とのバランスを考慮した上で治療法を選択することになります。

 

QOLと腫瘍の大きさ

少し前に行った検査で、久々に良い結果を聞くことができました。

以前は分子標的薬というものを使用していたのですが、効果が薄れてしまったために違うタイプの抗がん剤に切り替えたところ、腫瘍が縮小していました。

 

妻のように完治が期待できないケースでは、腫瘍に増大が見られなければ御の字で、たとえ増大していてもそのスピードが遅ければ良しとしなければなりません。

治療効果と QOL とのバランスがとれるように、主治医とよく相談しながら治療方法を選択します。

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でも、その QOL の評価が難しいんですよね。

例えば副作用が辛いと感じたとき、それが我慢できる(あるいはするしかない)レベルなのかどうかは、患者本人でさえ判断が難しいようです。

「第二の患者」である家族がアドバイスを求められても、的確な助言ができるとは限りません。

ですが、家族として様子を見ているうちに「以前より辛そうだ」とか「今回は元気そうだ」という程度の判断はできるようになるかもしれません。

私が妻の様子を見ていて感じたのは「腫瘍の大きさも QOL に影響する」ということです。

 

腫瘍が小さくなったとしても、その治療があまりにも辛くて日常生活がまともに送れない状態でしたら、やる意味は無いでしょう。

ですが、検査で良い結果が出ると、多少の辛さは我慢できるように思います。

今の薬に変える前、「増大してはいますが、スピードが遅いようなので、もう少し様子を見ましょう」という状況で治療していたときは、ちょっとした副作用でも精神的には辛そうに見えました。

そして、今の薬を使い始めた頃もとても辛そうでしたが、治療効果が確認できてからは、副作用が強く出る時期でも少し元気そうに見えるようになりました。

「効いているんだ」という実感が辛さを少し和らげているようです。

 

このまま今の薬を使い続ければ・・・といきたいところですが、そういうわけにもいかないんですよね。残念ながら。

今の薬は心臓への負担が大きいので、使用できる量が限られています。

数ヶ月後には薬を変更しなければなりません。

次の薬も効いてくれると良いのですけど。