ゴミ収集日の憂鬱

独りになってからゴミの量が減った。

 

生活者が一人減ったのだから、それに応じてゴミが減るのは当然のことなのだが、収集日が近づくと、3分の1ほどしか溜まっていない45リットルのゴミ袋を見て寂しくなる。

以前は一杯になっていたのに。

 

単純計算では半分になるはずだが、日中も家で過ごしていた妻の方がゴミを出す量が多かったのだろう。

 

20リットルのゴミ袋にすれば良さそうなものだが、そうするといつまでも遺品の整理が進まない気がして、今のところサイズを変更していない。

 

収集日の前日に通常のゴミをまとめ、空いている分を遺品で埋めて出すようにしているのだ。

 

最初は愛犬の遺品を入れた。

 

ペットロスになっていた妻が捨てることを嫌がり、ほとんどのものが残っていたので、ある程度の整理ができるまで数週間かかった。

 

それから、妻のものに取り掛かり、最初は残っていた薬を入れた。

 

抗がん剤が変わったり、病状に変化があったりすると、処方される薬が変わることがあり、使用しなくなった薬が蓄積されていった。

 

それが6年分。

結構な量になっていたので、すべてを処分するのにこちらも数週間かかった。

 

薬の処分にも多少の躊躇はあったのだが、妻はもう辛い思いをしてたくさんの薬を飲む必要が無いのだと思うと、比較的容易に処分に踏み切れた。

 

薬の処分が終わり、衣類を処分しなければならなくなった。

 

明らかに薬よりもハードルが上がったが、最初に靴下の処分をした。

妻が身につけている姿の印象が薄い順でいくと、靴下が最初になった。

 

次は肌着にしようかと思っているのだが、このままいくと近いうちにもっと辛いものに取り掛からなくてはならなくなりそうだ。

 

それを考えると、ゴミ袋のサイズを変えて、遺品整理のペースを少し落としたくなってきた。

 

来週からは20リットルにしようか。

それでも一杯にはならないだろうから、少しずつでも遺品の整理はできるだろう。

 

愛犬のものを捨ててから、(やっぱり捨てなければ良かったなぁ・・・)と後悔している品がある。

 

その反省を活かして、もう少しゆっくりやっていこう。